携帯電話やパソコンを利用することにより知らないうちに集められている個人情報 ~ スノーデンの警告

   

携帯電話やパソコンを利用することにより知らないうちに集められている個人情報 ~ スノーデンの警告

携帯はあなたの情報を政府に知らせています。
二〇〇一年九月一一日のアメリカ同時多発テロ事件以降、テロ防止の名の下に、アメリカ政府は技術発展の著しいインターネットを通じた大規模な監視体制を構築していた。ところが対象となっていたのはテロリストだけではなく全世界の一般市民すべてだった……。
二〇一三年六月、これらの事実を暴露したのが元情報局員のスノーデンである。権力が際限のない監視を行い、それが秘密にされるとき、権力の濫用と腐敗が始まる。

メルケル首相の携帯電話をも盗聴していた監視の実態
無差別・網羅的な新しい監視
すべての記録は自動的に収集され、メタデータとして保管されている
監視活動に関するアメリカと日本の協力関係
人権活動家や弁護士、ジャーナリストまでが監視対象に
秘密主義は政治の意思決定のプロセスや官僚の質を変えてしまう
日本の報道は危機的状況
テロへの不安に乗じ拡大される監視活動
政府は、グーグルの検索ボックスに打ち込んだ内容をすべてモニタリングできる
NSAは日本語のメールや電話も傍受している
「すべてを集める」
メタデータは監視タイムマシン
携帯電話の基地局を装い情報を傍受するスティングレイ
流出資料で見る警備考案警察の監視の実態
テロの危険は、諜報機関という装置が自らの存在を正当化するための「燃料」
外国人を対象とした監視プログラムはいまだに続いている
公安警察が権限を拡大させる一方、日本の市民社会、メディアの警戒感は非常に薄い
沈黙は独裁者や圧制者に力を与えることになる

( 『スノーデン 日本への警告』 Edward Snowden 集英社 2017/4/14

 

メール、チャット、ビデオ通話、ネット検索履歴、携帯電話での通話など、世界中のあらゆる通信経路を通過する情報のすべてをNSAが掌握しようとしているという事実が、初めて具体的な仕組みとともに明らかにされた。世界中が驚愕し、多くの人々が激怒し、私自身も震えた。しかし、日本ではこの史上最大級の内部告発はどこか他人事のように報道された。

発言1 「日本で近年成立した(特定)秘密保護法は、実はアメリカがデザインしたものです」

スノーデンが働くNSAビルには、日本側の「パートナーたち」も訪れ、自分たちの欲しい情報を提供してくれるようNSAに頼んでいたという。が、NSAは日本の法律が政府による市民へのスパイ活動を認めていないことを理由に情報提供を拒み、逆に、米国と秘密を共有できるよう日本の法律の変更を促したというのだ。

特定秘密保護法はスノーデンの告発から半年後の2013年12月、国会で強行採決された。これまで語られなかった背景を、スノーデンはこう明かした。

NSAが少なくとも第一次安倍内閣時から内閣府、経済産業省、財務省、日銀、同職員の自宅、三菱商事の天然ガス部門、三井物産の石油部門などの計35回線の電話を盗聴していたことを記す内部文書が公にされた。

ターゲット・トーキョーの盗聴経路はわかっていないが、NSAが国際海底ケーブルへの侵入、衛星通信の傍受、マイクロソフト、グーグル、フェイスブックなどインターネット各社への要請によって、世界中のコミュニケーションの「コレクト・イット・オール」(すべて収集する)を目指していることは、スノーデンの公表した機密文書によって明らかになっている。

オーストラリアの安全保障研究者、デズモンド・ボールとリチャード・タンターによれば、日本の監視拠点は、米海軍横須賀基地(神奈川県)、米空軍三沢基地(青森県)、同横田基地と米大使館(東京都)、米海兵隊キャンプ・ハンセンと米空軍嘉手納基地(沖縄県)で、約1000人が信号諜報に当たっているという。このうち米大使館は官庁、国会、首相官邸に近く、NSAの特殊収集部隊が配置されているといわれる。米軍基地は戦闘拠点であるだけでなく、監視活動を主要任務としているのだ。

このうち国際ケーブルなどの通信インフラに侵入して情報を盗み出す「特殊情報源工作(SSO)」を、スノーデンは「今日のスパイ活動の大半であり、問題の核心」と呼ぶ。SSOは主に、国際海底ケーブルの米国上陸地点で、ケーブルを通過する大量の情報をNSAのデータベースへと転送する工作を施す。

インターネットが米国由来の技術であることから、世界の通信の多くが米国内のインターネット、通信会社のサーバーを通過する。そのため、たとえ日本国内で送受信されたメールであっても、米国内のケーブル上陸地点を通過すれば情報を盗むことができる。

発言3 「多くの場合、最大手の通信会社が最も密接に政府に協力しています。それがその企業が最大手に成長した理由であり、法的な規制を回避して許認可を得る手段でもあるわけです。つまり通信領域や事業を拡大したい企業側に経済的インセンティブがはたらく。企業がNSAの目的を知らないはずはありません」

日本政府は米国の監視システムの被害者でありながら、今後、特定秘密保護法によって米国の世界監視体制を守る同調者として、日本で暮らす人々の通信データを横流しする共犯者、加害者としての性格を強めていくことを、スノーデンは憂慮している。秘密保護法によって逮捕された記者やジャーナリストはまだいない。だが、政府の特定秘密文書は昨年末時点で27万2020点、前年から8万点以上と恐るべき勢いで増大している(2016年4月26日付朝日新聞)。

強権発動はなくとも、報道の「不自由」が日本のメディアに蔓延し、英語や他言語がわかる特派員や現地スタッフが海外に何千人いようとも、日本の外交、民主主義、そして戦争と平和に大いにかかわるスノーデンの告発が、危機感をもって日本に伝えられることはなかった。いや、強権発動を要せずして、日本の報道関係者はネット上の流動的、断片的な情報から内向きに聞こえのよいもの、効率よくニュースにできるものを選択する「不自由」に慣れ、日本人の世界を理解する力を深刻に低下させている

これは実は、監視問題に限ったことではない。史上最多といわれる難民問題から旧日本軍「慰安婦」問題まで、世界の現場で起きている事象が日本にいる私たちに「自分の問題」として感じられるまでに掘り下げて伝えられているとは言いがたい。特に、日本への批判を含んだ声は、穏便に加工されて出荷されているようにみえる。
( スノーデンの警告「僕は日本のみなさんを本気で心配しています」なぜ私たちは米国の「監視」を許すのか gendai.ismedia.jp 2016.08.22 小笠原 みどり)

「目的は2つあります」と、対監視用製品専門の設計者、アダム・ハーヴェイは解説する。「音声データを送信するために使われる無線信号をブロックすることと、音声を完全に遮断することです」。(NSAの内部告発をしたスノーデンは冷蔵庫に携帯電話を隠していた? WIRED.JP 2013.07.09 TUE 12:46)

Edward Snowden Interviewed by Ron Paul – FULL EDITION Western Truth Radio 2017/08/06 に公開

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